第 9 条関係(3 法人等の役員・4 学生)
3 法人等の役員
<法人、団体、組合の執行機関>
問 法人、団体又は組合等の場合において、その代表者又は執行機関である者がその法人、団体又は組合等より労働の対償として法第 11 条の規定による賃金を受ける者であるときは、法人、団体又は組合等の機関という立場においては他の労働者に対し使用者の地位に立つ者であるが、賃金支払を受ける立場においては法第 9 条の規定により労働者とも解せられるかどうか。
答 労働基準法にいう労働者とは、同法第 8 条にいう事業又は事務所に使用される者で賃金を支払われる者であるから、法人、団体、組合等の代表者又は執行機関たる者の如く、事業主体との関係において使用従属の関係に立たない者は労働者ではない〔昭和 23・1・9 基発第 14 号〕
<職員を兼ねる重役>
問 法人の重役は工場長、部長等の職にあって給料を受ける場合も労働者と見ないか。
答 法人の所謂重役で業務執行権又は代表権を持たない者が、工場長、部長の職にあって賃金を受ける場合は、その限りにおいて法第 9 条に規定する労働者である〔昭和 23・3・17 基発第 461 号〕
4 学生
<商船大学等の実習生>
標記のことについては、昭和 23 年 1 月 15 日付け基発第 49 号に基づき取り扱ってきたところであるが、最近の実態調査等によると、商船大学及び商船高等専門学校が機関関係の学科、課程の学生に対し民間の事業場に委託して行う工場実習は、一般に左記のような実態にあるものと認められるので、今後、この工場実習を受ける実習生については、当該事業場との関係において原則として労働者ではないものとして取り扱われたい。
なお、一般の大学の工学部等の学生又は工業高等専門学校の学生で工場実習を受けるものについては、実習の目的、内容、方法等が様々であると考えられるので、個々の実態に即して判断すべきであるが、これらの実習生であっても、下記と概ね同様の実態にある場合においては、原則として労働者ではないものとして取り扱って差し支えない。おって、昭和 23 年 1 月 15 日付け基発第 49 号は、本通達をもって廃止する。
記
1.実習の目的及び内容
(1) 商船大学及び商船高等専門学校(以下「大学等」という。)が機関関係の学科、課程の学生に対し民間の事業場に委託して行う工場実習(以下「実習」という。)は、大学等の教育課程の一環として、これらの学生に船舶職員法(昭和 26 年法律第 149 号)に定める甲種 2 等機関士(現行、 3 級海技士(機関))等の海技従事者国家試験の受験資格として必要な乗船履歴(その一部は工場における実習をもって代えることができる。)を取得させるために行われるものであること。
(2) 実習の実施に当たっては、大学等から委託先事業場に対し所定の教育実習委託費が支払われていること。
(3) 大学等は、工場実習規程等により実習期間、実習科目、実習の実施体制、実習の履修状況の把握、成績の報告、表彰、制裁等について定めており、実習は、原則として、これに従って行われていること。ただし、各実習科目についての具体的な実習方法等は通常、委託先事業場に任せられていること。
2.実習の方法及び管理
(1) 実習は、委託先事業場の従業員で大学等から実習の指導を委嘱されたもの(以下「指導技師」という。)の指導の下に行われていること。
(2) 実習は、通常、現場実習を中心として行われており、その現場実習は、通常、一般労働者とは明確に区別された場所で行われ、あるいは見学により行われているが、生産ラインの中で行われている場合であっても軽度の補助的作業に従事する程度にとどまり、実習生が直接生産活動に従事することはないこと。
(3) 実習生の欠勤、遅刻、早退の状況及び実習の履修状況は、通常、まず指導技師によって把握・管理されているが、工場実習規程等に定める所定の手続を経て、最終的には大学等において把握・管理されていること。
(4) 実習生の実習規律については、通常、委託先事業場の諸規則が準用されているが、それらに違反した場合にも、通常、委託先事業場としての制裁は課されないこと。
3.実習手当等
実習生には、通常、委託先事業場から一定額の手当が支給されているが、その手当は、実習を労働的なものとしてとらえて支払われているものではなく、その額も 1 日 300 円ないし 500 円程度で、一般労働者の賃金(あるいは最低賃金)と比べて著しく低いことから、一般に実費補助的ないし恩恵的な給付であると考えられること。
なお、実習生には、委託先事業場から手当のほか交通費等が支給され、あるいは委託先事業場が寮費等を負担している場合もあるが、これらの給付あるいは負担も、一般に同様の性格のものと考えられること。〔昭和 57・2・19 基発第 121 号〕
<看護婦見習>
問 個人開業の医院で家事使用人として雇用し看護婦の業務を手伝わせる場合があるが、これは本法の適用はないものと考えてよいか。
また二、三名を雇用して看護婦見習の業務に従事させ、かたわら家事その他の業務に従事させる者は、本法の適用があると解されるが如何。
答 設問前段の如き場合は、見解の通り。
後段については看護婦見習が本来の業務であり、通常これに従事する場合は本法の適用がある。〔昭和 24・4・13 基収第 886 号〕
<看護婦養成所の生徒>
保健婦助産婦看護婦法(昭和 23 年法律第 203 号)に基づく看護婦養成所の生徒は、将来看護婦となるべき素養を取得するために教育を受けているものであり、その教習課程中の実習も教育の目的でのみなされるべきものであるから、その生徒は原則として労働者とみなすべきではない。なお、従来の慣習により生徒を一般看護婦と同様に勤務させている場合があり、たとえ形式的にいわゆる生徒と称して実習に従事していても、その実態においては、法第 9 条にいう労働者とみなされる場合があるが、次のいずれにも該当する場合を除き、当該事業経営者と生徒との間には実質的な使用従属関係が存在するものと認められ法を適用すべきものであるから、その労働の実態を調査し法の適用について十分留意されたい。
本件は養成中の男子たる看護人についても同様に取り扱われたい。
(1) 実習時間外はもとより、実習中といえども、教習及び教習の場所に関係のない作業、事務、その他雑用に使用されないこと。
(2) 生徒の管理については、責任者が定められ、生徒の実習と一般看護婦の労働が明確に区別されていること。〔昭和 24・6・24 基発第 648 号、昭和 25・11・1 婦発第 291 号〕
コメント
コメントを投稿